7月21日に開かれた京都市会くらし環境委員会で、所属する法人の経理を担当する元理事(現在市会議員)の不正経理の疑いに関して3度目の質疑をおこなった。以下、その摘録を紹介します。いつものようにまとめたのは同僚の山根市議。
◆井坂議員:京都市、行政側は「任意調査途中の情報は公開できない」ということだが。
◇林地域自治推進室長:任意の段階なので本市から公表するのは控えさせていただく。
◆井坂議員:法人には「自ら公表するよう求める」と言ってきたが法人の対応、返事はどうだったか。
◇林地域自治推進室長:任意の聴取中。これまで3回、理事長に来庁を求め「できるかぎり説明責任を」と伝えてきた。法人も重要と受け止めホームページで3回説明。そういうスタンス。
◆井坂議員:法人のホームページのコメントを見た。重要な示唆はあるが市民が知りたい「何が起きたか」は触れられていない。何が問題か分からない。引き続き強く求めてほしい。法人の15日付の「関係者の皆様へ」のなかでは、「当法人の元理事による不祥事を受けて」と初めて「不祥事」という言葉を使っている。言い切った。これは重たいこと。この不祥事という認識について、行政はどう受け止めているか。法人には確認したのか。
◇林地域自治推進室長:報告を受けた段階で聞いた。中身をつまびらかに明らかにできないが、返却されたお金が不足していること、元理事を京都地検に告訴したこと、全容解明と抜本的改革に取り組むことを言われた。本市としても可能な限り説明責任をはたしたい。
◆井坂議員:法人は「京都市に対して認定特定非営利活動法人の認定取り消しを申請しておりましたところ、7月14日付で認定取り消しの通知を受けた」としている。いつ申請がされてどういう経過で認定の取り消しをおこない、取り消しによる同法人の活動はどういう変化が起きるのか。
◇林地域自治推進室長:7月13日に提出された。すみやかに7月14日付で取り消し、本市のホームページで公表。翌日以降は効力がなくなる。寄付された控除がなくなる。今後5年間認定が受けられないなど。
◆井坂議員:行政側はNPO法67条の関係ですみやかに取り消さないといけないと。取り消しによって税の優遇措置がなくなると。この優遇措置を返上してまで「全容解明と抜本的改革をすすめる」という法人の姿勢をどう受け止めているか。
◇林地域自治推進室長:ことの重大性、立場の大きさを認識された結果。
◆井坂議員:認定法人から認証法人になることによって、NPO法にある行政からの調査と是正措置は、どういう法的根拠になるか。認定法人にやるべきであったことを引き続きできるか。
◇林地域自治推進室長:基本は所轄官庁として粛々とやる。認定の場合は改善命令の前に勧告となるが、それが直接命令となる。
◆井坂議員:同法人は13日付のホームページで「あらためて元理事の在任中の関係書類をすべて精査しました。この結果、横領された疑いのある額が上記の返還額では到底不足し、さらに相当な額が返金されていないことがわかりました」として、「この際、全容解明を司直の手にゆだね、全容解明していただくことが認定NPOとしての社会的責任であると考え、元理事を京都地方検察庁に告訴するべく準備をしている」とある。現時点で実際に告訴はされたのか。情報をつかんでいるか。
◇林地域自治推進室長:告訴されたかどうか情報は入手していない。
◆井坂議員:それは書類を出したけども受理をされていないのか、告訴もされていないのか。
◇林地域自治推進室長:書類は出されたと聞いている。
◆井坂議員:市民の告発も1週間で受理された。おそらく今回も同じようになるのではないか。法人が内部によらず、司直の手にゆだねるとしたが、告訴に対する本市の受け止めと今後の同法人への調査への影響はどうか。
◇林地域自治推進室長:法人の調査、本市として明らかになっていない段階でのコメントは控えるが、著しく適正に疑いがあれば、法に基づいて判断していく。慎重に見極めできるだけ早く指導・監督していきたい。
◆井坂議員:告訴するからには弁護士を立てるのであろう。元理事も「弁護士を通してコメントする」としている。ならば、議員および市民は同法人のホームページでの報告を通じてでしか情報がつかめなくなる。「いまは訴訟中だから」と。議会としてどういう役割はたすのか。行政はそれでよしとするのか。ちゃんと対応できるか。
◇林地域自治推進室長:我々は犯罪捜査はしない。認証NPO法人としてきちんとやれるのかを確認し、それが改善されるか、それができないのなら認証も取り消すと。少し場面が違う。
◆井坂議員:犯罪捜査をしろと言っているのではない。しかし、市の補助金も入っている。「ここまではできるけど、ここまではできない」ということではすまなくなってくる。認証法人になったもとで、NPO法41条に基づく「調査と報告」をすみやかにおこない、議会に全容を報告するよう強く求める。それをおこなわないのであれば、だまって指をくわえているわけにはいかない。議会も相応の決意で全容解明に臨まざるをえなくなる。早晩、遅からず、法人に参考人として証言してもらうことも出てくる。
◇林地域自治推進室長:所轄庁として法に求められる役割を粛々とはたしたい。「公表」については勧告の時点で認証(NPO法人)の場合、そういう記載はないが、他都市の事例なども見れば報告されている。我々もそれにそっておこなう。